第19話:立ち止まって

函館の積雪は観測史上最高の積雪を記録。平年の4倍に達し、
日々雪掻きに追われた2月もアッという間に過ぎてしまった。

▲雪に埋まっていたアルターナ(屋根上の物干場)

掻いても掻いても、降る降る降る。道路を掻いたかと思えば、
屋根からの落雪。さらに裏の空き家の屋根から坪庭にトドメが。
北海道でも比較的雪の少ない函館らしからぬ光景が続いている。
まだ続くだろうか。。。

▲今年3回目の裏屋根の上の雪降ろし。

裏屋根の 雪を下ろすと綺麗に錆び付いた屋根が顔を出す。
こちらの屋根の雪は、空き家の土地に投げ、あちらの屋根の雪は
こちらの坪庭に流れ落ちる。。。

▲ところどころ穴があいた屋根からは雨漏れが。
▲坪庭の雪は、2回綺麗に排雪したがまたすぐこの状態に。

この半月、中の作業はほぼ立ち止まっていた。。。
大工さんは、柱の根継ぎの途中から雪掻きに狩り出され、
今週いっぱいは来られない予定。
中ではまたひとり、壁の解体の日々を過ごしていた。

▲解体しては補強を入れ、進めてゆく。

元の構造は、横に見える横貫という材料が柱を貫通し、貫通穴の
隙間に楔を差して、柱を繋いで行く構造だったが、楔が所どころ
木が痩せて抜け落ちたり、入っていなかったりした。

▲楔をつくる。

木で木を締め固める事で柔軟な構造体になり、この楔が柱や貫に
めり込む事で地震の揺れを吸収してくれる。

▲柱と横貫の隙間に楔を打ち込む。

つづいて2階の寝室やお風呂になる部分の解体。

▲天井の低いスケール感がとても落ち着くところ。

昔は小屋裏であったであろう所を、無理に部屋にした痕跡がある。
構造的にも補強がいる部分。

▲天井を取ると更に素敵な空間に。

当初の予定では4月に完成させ引っ越しをしたかったのですが、
雪の影響は3月いっぱい続き、他の仕事も忙しくなる事もあり、
なるべくクオリティーも落としたくないので、完成&引っ越しは
夏前まで延ばす事に。4月から独立し事務所だけは先に始動する。
気は焦り空回りをするが、 今は少し立ち止まりこの家に対して、
もう少し思いを巡らせるチャンスなのかもしれない。

つづく

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