さて、打設したコンクリートも順調に養生も進んでおります。
養生期間は現場での作業が出来ないので、次の土台の入れ替え
作業の段取りを進めております。
土台に使う米ヒバを、昨年から頼んでいた藤山製材所へ。
![DSC07231](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07231-360x270.jpg)
最近の住宅は大工が木材に墨を付け、仕口や継手を手刻みで加工
する事が無くなってきている。ほとんどがプレカットと言って、
機械で簡略的な継手などに加工し、現場で金物で補強するような
作りが多い。その為、一般に流通している木材は約3.6mの2間
の柱間の長さのものがほとんどで、大工による伝統工法の継手を
作ろうとすると短くて材料が余分に掛かってしまう。常盤坂の家
は全て手刻みによる加工なので4mの材料をお願いしていた。
![DSC07228](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07228-360x270.jpg)
そしてコンクリート養生4日目に、常盤坂の家に入れてもらった。
製材所で見た荒木のままお願いしていたが、藤山さんの計らいで
4面プレーナー仕上げで綺麗に仕上げて持って来てくれた。
![DSC07314](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07314-360x270.jpg)
![DSC07339](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07339-360x270.jpg)
養生5日目、土台の入れ替えをお願いしている大工さんが現場へ
やってきました。お願いした大工さんは 小柄な棟梁の高橋さん、
津島建工の親方津島さんのお二人。今回、大工さんに頼む工程は
土台入替えと、屋根の葺き替え程度なのでとても貴重。
まずは、玄関の土台の入れ替えからスタート。
![DSC07347](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07347-360x270.jpg)
腐った土台をチェーンソーで切り落としてゆく。まさに外科手術。
![DSC07351](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07351-360x270.jpg)
![DSC07355](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07355-360x270.jpg)
次にいよいよジャッキアップをし、梁や胴差をサポートで仮に
支え、柱を土台から少し浮かせて土台を抜いていく。
![DSC07388](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07388-208x278.jpg)
![DSC07364](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07364-360x270.jpg)
![DSC07360](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07360-360x270.jpg)
下の写真、右側の土台には蟻掛けという仕口の加工がされている。
こちらの土台はここから5尺ほどは使えるので復旧する。
![DSC07366](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07366-360x270.jpg)
続いて、棟梁の高橋さんと入れ替える米ヒバの土台を選定し、
それに墨付けをして刻んでゆく。
![DSC07381](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07381-360x270.jpg)
通し柱に取り付く、桁行方向の基礎は、打ったのコンクリートの
土間から30cm立ち上げるため、 外壁のトタンを残し、内側から
壁の下地などを切断してゆく。
![DSC07395](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07395-360x270.jpg)
![DSC07406](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07406-360x270.jpg)
一気にジャッキで上げるのではなく、玄関の方から少しづつ、
ジャッキで上げてはサポートで支えと繰り返しながら建物を上げ、
新たに打つ基礎に敷く土台の高さで柱と壁を切断しながら進む。
![DSC07408](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07408-360x270.jpg)
玄関から入って奥の方は、古い基礎が立ち上がっているので、
新たな基礎を抱かせながら、更に裾上げを行なうので天端には
また差し筋をし、ケミカルアンカー で固定してゆく。
![DSC07428](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07428-360x270.jpg)
手刻みで継手の加工が進む。下の写真はさきほどの復旧する土台
に新たに継手を設け、新しい土台と継いでいく部分を加工している。
常盤坂の家ではこれまで土台の継手は全て金輪継ぎ(かなわつぎ)
で組まれていたが、今回のリノベーションでは更に強度がある、
追っ掛け大栓継ぎでお願いした。
![DSC07416](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07416-360x270.jpg)
新しい土台と、昔からの土台が継ぎ手で組まれた瞬間は感慨深い。
こうして柔軟に継ぎ足して、住み継ぐことが出来るのが、日本の
伝統的な木造建築のすばらしい所である。
![DSC07427](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07427-360x270.jpg)
![DSC07430](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07430-360x270.jpg)
![DSC07439](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07439-360x270.jpg)
![DSC07445](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07445-360x270.jpg)
翌日、SK佐々木建設さんで立ち上がりの基礎の鉄筋を組み、型枠
を付け、その日に裾上げ基礎のコンクリート打設する。
![DSC07452](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07452-360x270.jpg)
![DSC07473](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07473-360x270.jpg)
![DSC07476](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07476-360x270.jpg)
土間と同じように、打設後5日間はジェットヒーターを昼夜かけ
湿潤養生を行なう。植物に水を与えるように、愛情を込めながら
コンクリートにも水を掛けて潤わせる。
![DSC07507](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07507-360x270.jpg)
![DSC07500](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07500-360x270.jpg)
木を扱い始めると格段に現場も面白くなってきました。
つづく