床も均されスッキリしました。やはり、足元が良いと気分も良い。
さて基礎の補強工事は、続いて差し筋を入れていきます。
差し筋とは、コンクリートに差してあげる鉄筋の事を言います。
コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱い。鉄筋は圧縮に弱いが、
引っぱりに強い。互いの長所を活かし初めて鉄筋コンクリートは
頑強な強度が得られます。
既存の基礎には鉄筋が入っておらず、大きな地震には耐えられない。
差し筋は、既存の基礎と新たな基礎とを一体にする為に入れます。
![DSC06935](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC06935-360x270.jpg)
一般的な差し筋アンカーは穴を開け、鉄筋を叩き入れ、先が中で
穴の中で開く事で抜けなくなるもの。しかし、古い基礎に叩いて
入れるとコンクリートがひび割れして十分な強度を得られない。
今回使うアンカーは注入型接着系アンカー。穴に樹脂を注入し、
鉄筋を差し、樹脂が硬化することで鉄筋が抜けなくなるもので、
低温下でも使えて、施工性もよく十分な強度を発揮してくれる。
![DSC06961](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC06961-360x270.jpg)
注入型接着系アンカーで計170本の差し筋を打ち込む。
![DSC06964](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC06964-360x270.jpg)
続いて、土台のアンカーボルトの加工。大工さんに借りていた、
バーベンダーという鉄筋曲げの機械で曲げる。
土台のアンカーボルトは基礎からズレないようにする為のもの。
石積みの上の土台は、上からのアンカーボルトが効かない為、
羽子板ボルトで代用し新たに打つコンクリートに横から効かせる。
![DSC07011](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07011-208x278.jpg)
![DSC07009](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07009-360x270.jpg)
私の方での準備も整い、SK佐々木建設さんが鉄筋を組みにきました。
まずは、地面からの湿気を防ぐ防湿フィルムを砕石の上に敷いてから
鉄筋を組んでいきます。
![DSC07020](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07020-360x270.jpg)
![DSC07023](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07023-360x270.jpg)
差し筋、アンカーボルト、ホールダウン等は全てセルフビルド。
ケミカルアンカーは少々高価なので地道にコストダウンを図る。
![DSC07079](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07079-360x270.jpg)
半分解体してあった立ち上がりの基礎にも鉄筋を立ち上げておき、
スラブを打った後に、更に新たに基礎を抱かせるように補強する。
![DSC07048](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07048-360x270.jpg)
こうして、基礎の補強コンクリートスラブを打つ準備が整った。
コンクリートという頑強な構造物は失敗が許されない為、打つ前は
現場にはとても緊張感があります。確認作業も入念になります。
![DSC07043](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07043-360x270.jpg)
1月21日、大寒の日の朝、常盤坂の家に生コンのミキサー車が。
いよいよ、コンクリートの打設が始まりました。
![DSC07094](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07094-360x270.jpg)
SK佐々木建設からコテ均し1名、ネコ押し3名、そして私は、
バイブレーターの係で計5名の連携作業の始まりです。
![DSC07098](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07098-360x270.jpg)
![DSC07101](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07101-360x270.jpg)
![DSC07107](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07107-360x270.jpg)
コンクリートを流し、バイブレーターを掛け鉄筋の下や隅まで
均等にコンクリートが回るようにします。それから、木ゴテで
押さえ、最後に金ゴテで押さえて進んでいきます。
![DSC07120](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07120-360x270.jpg)
木ゴテで終わる仕様だったのですが、職人さんの計らいで金ゴテで
仕上げてくれました。 とても有り難い事です。
![DSC07122](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07122-360x270.jpg)
![DSC07129](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07129-360x270.jpg)
ミキサー車2台分、7立米のコンクリートを人力で打設しました。
![DSC07131](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07131-360x270.jpg)
冬場のコンクリートは打設後、大切に養生しなければなりません。
コンクリートは気温が低いと硬化時間が著しく長くなり、強度が
出るまでもとても時間が掛かります。
打設の完了と共に、ジェットヒーターを炊き続け、コンクリート
温度を2℃以上に保たなければなりません。そして、夕方から
晩にかけ、コンクリートの水が引いた頃に、もう一度、金ゴテで
押さえセルフにて仕上げていきます。下地が上手いので楽だった。
![DSC07154](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07154-360x270.jpg)
運良く、大寒にも関わらず、この日は最低気温が1℃と+の気温。
翌日も 最高気温が5℃と、この時期にしては異例の気温の高さで
コンクリートの硬化も早く進んでいます。
![DSC07167](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07167-360x270.jpg)
![DSC07181](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07181-360x270.jpg)
ジェットヒーターは6時間置きに1日4回、灯油を補給し続ける。
その為、夜中も現場に足を運び続けなければならない。同時に、
表面だけ乾燥が進むのを防ぐ為、コンクリートに水打ちも行なう。
![securedownload](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/securedownload-208x278.jpg)
2日目には、硬化も進み歩けるようになるが、それでもまだまだ
強度は出ていない状態。
![DSC07190](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07190-360x270.jpg)
コンクリートも生き物のようで、しっかりと水打ちをし潤いを与え
ていかなければ品質の良いコンクリートにはならない。
冬場の時期は、5日間は暖を取り水打ちを続けなければならない。
![DSC07201](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2012/01/DSC07201-360x270.jpg)
今夜から一気に−10℃まで冷え込むので、ジェットヒーターと
更に、練炭も炊きながら養生をしに行ってきます。
根気のいる作業はまだまだ続きます。