大屋根の家は、大工さんによる造作工事が進んでいます。
今回はキッチンやテーブル、ソファ等も大屋根の家の生活に
合わせて設計させていただきました。
![DSCN2528](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2528-360x270.jpg)
キッチンはシンクのあるアイランド型と、背面にIHヒーターを
備えた作業カウンターとの2列型になっている。
フレームは厚物の針葉樹合板 、天板は鈴木木材さんで用意して
いただいたドングリの木でもある楢(ナラ)の天板が載る。
![DSCN2537](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2537-360x275.jpg)
フレームを組み引出レールを取り付け、引出しを組み込む。
![DSCN2580](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2580-360x270.jpg)
続いて、アイランドキッチンのフレームも組んでいく。
![DSCN2563](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2563-360x270.jpg)
キッチンはフレームを仮組みし、土間が仕上がると本組みとする。
続いて、リビングの家具を製作する。
床に出した地墨を基準に造り付けの木製ソファを組み立てる 。
テーブルの高さに合わせ肘掛けをサイドに配した3シーターで、
座面下と肘掛け下に収納を設け、床に使った杉板で作り上げる。
![DSCN2619](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2619-360x270.jpg)
座面と背もたれには絶妙な?角度を付けている。
![DSCN2659](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2659-360x270.jpg)
家具にも多種多様あるが、誰が作るかによりその設計も変わって
くる。今回は作り手である大工さんの技術と工法、使用する材料
から含めてデザインしてある。
![DSCN2710](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2710-360x270.jpg)
やさしい表情の杉なのに凄い存在感です。座り心地もバッチリ!
![DSCN3140](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3140-360x270.jpg)
よ〜く見ると、 なんと、サプライズで座面にチョウチョが。
![DSCN3142](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3142-360x270.jpg)
西村棟梁の粋な計らい。この仕事に誇りを持っている証ですね。
そんな椅子に座って見るテレビの下は、杉板でTV台を作ります。
![DSCN2780](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2780-360x270.jpg)
さらにさらに、この間に挟まれたテーブルは普通では可哀想っ。
そこで真ん中には、杉のローテーブルがきます。
![DSCN2797](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2797-360x270.jpg)
![DSCN2814](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2814-360x270.jpg)
最近ではこうした、伝統工法での仕事はほとんど無くなっている。
そうした仕事を頼む設計者や、施主もいなくなって来ているし、
その良さや本物の仕事を分かってくれる人も少ないのが現状。
大屋根の家では、こうした仕事を理解していただける施主と、
その仕事に真摯に向き合ってくれる職人さんに恵まれた。
少しでも多く本物の仕事を残していくのが私の使命でもある。
![DSCN3143](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3143-360x270.jpg)
そしていよいよ大屋根の家の床約半分、南側土間にタイルを
敷く為の工事が始まりました。 コンクリートの土間の上に、
さらに精度を出す為の下地調整モルタルを 敷いて行きます。
![DSCN2875](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2875-360x270.jpg)
コンクリートの土間に直接タイルを貼っていく事も多いですが、
400角という大判タイルなので、このひと手間を掛ける事で
しっかりとタイルが貼れるようになる。
![DSCN2890](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2890-360x270.jpg)
それから基礎の外周を中塗りモルタルの上から仕上げ塗り。
![DSCN2906](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2906-360x270.jpg)
![DSCN2921](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2921-360x270.jpg)
浴室では腰上の壁と天井にプライマーを塗り、
浴室用防水シートを全面に張っていく。
![DSCN2905](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2905-208x278.jpg)
2次防水までした浴槽部分にモルタルで中塗りを取っていく。
![DSCN2912](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2912-360x270.jpg)
翌日、固まったモルタルの上に、タイルの割付けをし、基準の糸
を張っていく。この段階で善し悪しが決まる大事な作業。
![DSCN2937](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2937-360x270.jpg)
モルタル下地の上に、保水材を混ぜたセメントペーストを塗り、
櫛ゴテ引きし、馴染みを良くしてからタイルを張っていく。
![DSCN2971](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2971-360x270.jpg)
![DSCN2984](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2984-360x270.jpg)
タイルを載せたら、ビブラートという振動工具で隙間がなくなる
ようしっかりと下地と圧着させていく。
![DSCN2988](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN2988-360x270.jpg)
南の大きな土間は、冬場の太陽からの熱を蓄える蓄熱体であり、
土間下の土壌蓄熱床暖房の蓄熱体でもあります。
大屋根の家の中心で明るい南側にダイニング、南東がキッチンに
なり、南側外部にできるウッドデッキやドッグラン、家庭菜園を
気軽に部屋の延長としてラフに使う為の土間でもある。
どうしてもリビングを南にもって行きがちですが、テレビや映画
鑑賞を主とするリビングは安定した光りの北側に配置している。
吹き抜け上部のピクチャーウィンドーから太陽高度の下がる冬至
にはリビングまで光りが差し込む。
![DSCN3047](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3047-360x270.jpg)
今回は目地をタテヨコ揃えず、ズラして貼っていく馬目地という
貼り方。一般的にタイルの半分ずつズラすのですが、1/3づつ
不規則にズラして貼ってもらっています。ランダムにすることで
自然に表情豊かになっていきます。左官屋さんも初めての貼り方
だったようで、『マブイ』を連呼して気に入った様子。
![DSCN3091](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3091-360x270.jpg)
玄関からは、黒っぽい300角タイルになります。
通常は見切りと言って、金属系の棒などを入れて逃げるのですが、
今回は自然に1/3ズラしの目地で貼り分けています。
![DSCN3112](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3112-360x270.jpg)
最後に目地材を詰め、大きなタイル敷きの土間が完成です!
![DSCN3138](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3138-360x270.jpg)
![DSCN3128](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3128-208x278.jpg)
そして浴室も、中塗りまで左官で仕上がりました。
![DSCN3103](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3103-360x270.jpg)
大きなタイル土間のダイニングの向こうには、大工さんが丹誠
こめて作った木の家具が揃ったリビングが続きます。
![DSCN3146](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/07/DSCN3146-348x278.jpg)
大屋根の家での暮らしが次第に見えてきました。
明日からいよいよ木製キッチン、カーポート、浴室の石貼りが
始まります。
つづく。