ゴールデンウィークの上棟式にお施主さまをお迎えするのに、
連休に関係なく急ピッチで現場は進んでいきます。
外周壁の面材耐力壁を張り終えると、付加断熱として柱の外側に
更に断熱材を入れる為、下地のタル木を外側に取り付けていく。
![DSC09295](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09295-360x270.jpg)
外側に断熱材を付加することで、中からの断熱材だけではカバー
できない外周部の柱や梁などから伝わる熱欠損を小さくできる。
タル木の間に、高性能グラスウールを隙間無く入れていく。
![DSC09328](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09328-360x270.jpg)
断熱材を入れ終わると、透湿防水シートを綺麗にはっていく。
![DSC09329](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09329-360x270.jpg)
シートを張り終えると、シートのジョイントや端部などから
隙間風や湿気が入り込まないよう、全ての端部に気密テープを
張って隙間を埋め高気密化していく。
![DSC09308](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09308-360x270.jpg)
![DSC09289](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09289-360x270.jpg)
![DSC09360](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09360-360x270.jpg)
こうして、土台水切りから屋根までスッポリとラッピングされる。
そして、外壁材の準備に隣りの森町の三上製材所へ。
![DSC09386](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09386-360x270.jpg)
冬から三上さんに吟味しながら挽いてもらっていた唐松の板を
最後の仕上げに一枚一枚プレーナーに掛けてもらいます。
プレーナーに掛けながら、建具材にも使えそうなところを更に
吟味しながら仕分けしていきます。
![DSC09391](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC093911-360x270.jpg)
そして現場には、嶋崎板金さんが大屋根を葺きにやってきました。
大屋根の家の屋根は、その大きな屋根をよりスッキリ見せる為にも
軒先の見え方がとても重要になってきます。
普通に葺いただけでは、鋼板の歪みで軒先が蛇のように見えるので
捨て板という補強材を一枚いれてもらいます。
![DSC09324](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09324-360x270.jpg)
その捨て板を包み込むように唐草を取り付けていきます。
この唐草は屋根からの水切れを良くする為のものですが、
こちらも唐草の先端にもう一段、前垂れを付けることで、
見た目にも、機能的にも実利を兼ねたものにしています。
![DSC09317](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09317-360x270.jpg)
こうしてあまり気づかれないような一手間も二手間も掛けて、
ようやく屋根のガルバリウム鋼板を葺き始める。
![DSC09377](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09377-360x270.jpg)
煙突周りも納まり、大工さんは透湿防水シートの上に横胴縁を
流して外壁の下地を組んでいく。
![DSC09405](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09405-360x270.jpg)
外壁には、厚さ5分、幅3寸・4寸・5寸の3種類の唐松の板を
ランダムに張っていく。幅が一定だと窓の横に細い板が入ったり、
無理に板を切りイジメル部分が出てくる。それを避ける為に、
窓脇や角から割り付け、間を ランダムに調整しながら割り付ける。
![DSC09454](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09454-360x270.jpg)
大屋根の家の外壁板の張り方は、張った板と板の間に目板という
細い板を打っていく『大和張り』を、逆にして目板を張った上に
板を張る『逆大和張り(勝手に命名)』 。『大和張り』の目板は、
乾燥収縮していく板と板の隙間を隠す為に打つものだが、今回の
『逆大和張り』には目板部分に通気工法兼ね揃えたもので、私の
小澤師匠のやり方に更にアレンジを加えたもの。
![DSC09437](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09437-360x270.jpg)
そして、 ケントさん(ペンネーム)夫婦が埼玉から鹿部に
いらっしゃいました。今回、上棟式というメインイベントと共に、
ケントさんには、やらなくてはならない大仕事があったのです。
大屋根の家を建てるのに、この森を切り開くのに伐採した木を、
ここでの生活の暖をとる為の薪にすべく、丸太を30㎝に玉切り
して薪割りをするという初めての大仕事でした。
薪ストーブ屋さんのファイヤピット大石さんも駆け付け、まずは
チェーンソーの使い方など丁寧なレッスンを受けます。
![DSC09422](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09422-360x270.jpg)
そしてケントさん、いよいよ初めての玉切り体験です。
![DSC09436](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09436-360x270.jpg)
続いて、大石さんの実演レッスンを経て初めての薪割り体験です。
![DSC09432](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09432-360x270.jpg)
こうして、上棟式前日からケントさんの楽しい薪仕事が始まった。
棟梁の西村さんは、通気目板をどんどん張り進めていきます。
![DSC09463](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09463-360x270.jpg)
![DSC09461](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09461-360x270.jpg)
![DSC09442](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09442-360x270.jpg)
![DSC09448](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/DSC09448-360x270.jpg)
そして上棟式当日、外壁の仕上げ唐松の板を張り始めました。
![IMG_2079](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/IMG_2079-360x270.jpg)
そして大屋根の家の裏に回ってみると、前日のチェーンソーで
早速筋肉痛のケントさんが薪割の腕前を上げていました。
![IMG_2067](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/IMG_2067-360x270.jpg)
上棟式までの実質一日半でしたが、いつの間にか薪の山が。
とても良い汗をかきながら、一本一本の薪に愛情を込めながら
薪を割っている様子は、見ていて気持ちが良かったです。
![IMG_2072](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/IMG_2072-360x270.jpg)
そして祭壇が整い、関係者も集まり上棟式が執り行われました。
無事に棟上げも終わったことに感謝しながら、工事の完成後も
建物が無事であり続ける事を祈願します。
![IMG_2086](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/IMG_2086-360x270.jpg)
式後は、ケントさんご夫婦が職人さんの労をねぎらい直会の場を
用意していただきました。ケントさん夫婦が、鹿部に移住して
来られるキッカケから、楽しい話しに花が咲きました。
お土産にお赤飯やケントさんの地元 川越のコエドビールなども
振る舞われ、本当に楽しい上棟式となりました。
![IMG_2098](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/05/IMG_2098-360x270.jpg)
お施主さんに喜んでもらう為に普段、現場で頑張ってくれる職人
さんも、なかなかお施主さまの顔をみる事が少ないのですが、
こうした機会を用意して頂けると職人冥利に 尽きると思います。
ケントさんご夫婦、素敵なおもてなしをありがとうございました。
そして、最後に再び喜んでもらえるよう、皆と力を合わせて
頑張って参ります。
つづく。