なかなか気温が上がらない道南の鹿部町。日向に居るとこの季節が
太陽の日差しの暖かさを最も感じる時期かもしれません。
大屋根の家は、棟上げが終わりいよいよ大屋根を掛けていきます。
![DSC09003](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09003-360x270.jpg)
まずは、棟木と平行して掛かる母屋(モヤ)、桁(ケタ)に屋根タル木を
掛けていきます。大屋根の家では、軒先が1m以上出る構造なので、
なんと柱と同じ大きさの角材を屋根タル木に使います。
![DSC09021](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09021-360x270.jpg)
風による吹き上げに耐える為にタルキックという15センチもある
ビスで屋根タル木と、棟、母屋、桁を止めていき、さらに屋根面の
剛性を高めるラフターロックという金物で 締めていきます。
![DSC09015](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09015-360x270.jpg)
![DSC09039](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09039-360x270.jpg)
金物が全て取り付くと、屋根タル木と桁の隙間に面戸を落し込み、
さらに屋根タル木に野地合板の繋ぎのタル木を落し込む。
![DSC09040](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09040-360x270.jpg)
そして、大屋根のシンボルの煙突の下地を取り付ける。
![DSC09049](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09049-360x270.jpg)
屋根の下地が組み上がると、屋根面の構造用合板を張り、 透湿
防水シートを張りジョイントに防水テープを張り、通気胴縁で
押えていくが、屋根勾配がキツい ので、シートで滑る危険性が
あるので、棟から順番に張りながら下がっていく。
![DSC09057](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09057-360x270.jpg)
7寸5分勾配の屋根は水切れも良いが、工事は危険がいっぱい。
![DSC09059](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09059-360x270.jpg)
![DSC09100](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09100-360x270.jpg)
下まで無事に張ったと思ったら、次は下から野地板を張りながら
また登っていく。大工さんは凄い体力です。
![DSC09131](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09131-360x270.jpg)
唐松の野地板の下の隙間の部分が通気層になっていて、屋根裏
に溜まってしまう室内からの湿気を逃がす構造になっている。
この通気工法にしないと、壁内部や屋根の内部の湿気が結露し、
見えない部分で木が腐ったりしてしまう。
![DSC09134](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09134-360x270.jpg)
軒先の化粧野地を張る前に、軒裏になる入り組んだ部分の仕事を
やり易いうちに、ここで壁の間柱を建て、外壁下地の構造用合板
を張っていく。 この壁は筋交いの代りに、面材耐力壁を構成する。
![DSC09151](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09151-360x270.jpg)
そして、大屋根の軒下をつくりだす、化粧野地板を張っていく。
こちらは木古内町の岡田製材さんで、道南の知内近郊の杉を
厚み42㎜、幅180㎜のに挽いて加工して頂いたもの。
![DSC09175](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09175-360x270.jpg)
屋根通気層の入り口に防虫通気金物を取り付け、野地板を被せる。
![DSC09199](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09199-360x270.jpg)
屋根の妻面、けらばには登り淀(ノボリヨド)という同じ杉の板を
取り付け、それに合わせ軒先の化粧野地を切り揃える。
![DSC09208](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09208-360x270.jpg)
こうして大屋根の下地が完成。大屋根の家の玄関は、この大きな
軒下をくぐり、杉の野地板を眺めながらのアプローチになる。
![DSC09234](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09234-360x270.jpg)
野地が完成するとすぐに、嶋崎板金さんが屋根板金の下地になる
アスファルトルーフィングを敷いていく。
![DSC09192](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09192-360x270.jpg)
![DSC09216](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09216-360x270.jpg)
大工さんは休む間もなく、窓を取り付ける為に窓周りに気密用の
パッキンをしLow-eペアの高断熱樹脂サッシュを取り付けついく。
そして、函館では池見石油店で取り扱っている札幌のM.a.p社製
木製断熱ドアも現場に到着。木製サッシや、木製ドアは断熱性に
優れ、見た目にも暖かい。樹脂サッシに比べると、まだまだ高価
ですが毎日使う玄関ドアとして、お客様を迎え入れる玄関として
ひとつあるだけでもとても豊かな空間になります。
積雪と防犯性を考慮し、特別に内開きで作っていただきました。
![DSC09255](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09255-360x270.jpg)
全ての窓が取り付き、大屋根の家の姿が徐々に姿を現してきました。
![DSC09248](http://togashimasayuki.info/wp-content/uploads/2013/04/DSC09248-360x270.jpg)
これでようやく雨風を凌げる状態になり、ゴールデンウィークの
上棟式をお施主さまと迎えられます。
つづく。