第1話:『大屋根の家』始動

昨年夏から計画を進めていました『大屋根の家』も、
師走に入りようやく融資の審査を無事にパスし、本格始動です。
竣工予定も、少し早まり来年の9月の完成を目指します。
本日、地盤調査に行ってきました。
前日まで函館に雪はなかったのですが、湿雪が降り積もりました。

▲一晩で再び、銀世界になりました。

大屋根の家が建つ鹿部町まで、函館から北に車で50km弱。
こんな冬道を安全運転で1時間少々で到着します。
天気がよければ途中、大沼の向こうに駒ヶ岳が望めるのですが。

▲大屋根の家の前の道。思った以上の雪です。

例年、函館よりも降雪量も少ないはずの鹿部ですが、今日は
ちょっと様子が違いました。

▲こちらが大屋根の家の敷地。道路から奥に35mまであります。

雑木林の中の敷地には、蝦夷山桜や山紅葉、ナナカマドや楢など
様々な木々が自生 していますが、密集したまま成長したので、
十分に根を張れず、台風やこうした湿雪の重さで倒れたり、
立ち枯れしている木が目立ちます。少し危険な状態の森です。
今回は伐採や選定など、人の手を加え健康な森に再生します。

現地に到着し、お世話になる近隣の挨拶周りを先に済ませます。
いよいよ、地盤調査の機械が到着。 当敷地前が側溝があり、
機材がまだ直接アプローチできないので、近所の土地を借り、
こちらから雪の中を掻き分け現場に向かいます。

▲地盤調査の重機を降ろし、現場に向かいます。

まずは、大屋根の家の位置、車庫の位置を出します。
建物の4隅と真ん中、車庫になる部分の4隅の計9ポイントを
地盤調査していきます。

▲銀世界の為か、マーキングも見やすい。

まずは今回は自動式の調査機械の準備を行ないます。

▲機械先端にロッドという棒をセットします。
▲更にロッドの先端にスクリューポイントをセット。

先端の スクリューポイント回転させながら、負荷を掛けていき
ロッドを貫入させていきます。25㎝貫入させるのに、ロッドを
何回転させたかを計測し、換算N値という地盤の硬さや締まり具合
をもとめていくのが今回のスウェーデン式貫入試験の調査です。

▲雪を掻き分け、各ポイントに機械を走らせます。
▲スクリューポイント先端に負荷を掛ける様子。

この地域は、近くの活火山である駒ヶ岳からの火山灰の堆積物で
覆われていますが、こちらは、平均的に締まり具合は良い様子。

▲調査ポイントごとに、記録写真を取る。

作業開始後は急に晴れ間に見舞われ、計9ポイントの地盤調査も
無事に終了。調査会社のユニテックさんで、結果を持ち帰り、
後日、地盤データが送られてきます。 このデータを元に、設計者、
構造設計者とともに検証を重ね、この土地の地盤に適切な基礎の
設計を進めて参ります。

▲ピンコロ石を積んだ礎石が可愛らしい鹿部庁舎。

地盤調査後、伐採関係の打合せに初めての鹿部町役場へ。
大屋根の家の敷地は鹿部町森林整備計画区域内 でありました。
伐採関係の書類等もまとめていきます。
そうした関係諸手続きの調整も建築家の大事なお仕事でした。

▲帰り道は、晴れ間も見え駒ヶ岳の裾野を望めました。

春からの着工に向け、設計の方も詰めの作業が行われています。
つづく。