第26話:通気層

函館の桜も見頃を終え散り際に差し掛かってきました。
常盤坂の家は、連休前半に川越での設計契約を無事に終え
連休後半からようやく工事を再開しました。

▲壁を切り離した部分。窓上のトタンなど傷みが激しい。

常盤坂の家は、準防火地域にありとても密集している。ほぼ全ての
外壁が延焼のおそれがある部分になるので、外壁を防火構造にする
必要がある。とってもコストが掛かるので、今回の工事では既存の
外壁は極力手を付けず、工事箇所に隣接する部分で特に傷みが酷い
部分だけを新しい工法で直していきます。

▲窓上のラインで痛んだトタンをだけ剥がす。

痛んだトタンを剥がし、透湿防水シートの上に通気胴縁を張り、
石膏ボード を張ってから一度剥がしたトタンを張り直します。

▲全体に通気胴縁をながす。

下屋がらみのボードだけ先行して張っていき、嶋崎板金さんに
仮のルーフの上に、屋根用のルーフィングを張ってもらう。

▲ピンクのヤッケが素敵な骨董品屋もやっている粋な嶋崎さん。

石膏ボードの小口は吸水を防ぐのにテープ処理をしている。
ボードを張った上に、透湿性のある白いルーフィングを張る。

▲下屋の下地処理が完了。後はこの上に屋根を葺くだけ。

通気胴縁の上にボードを張って空いたこの中空の空間が通気層
になる。この通気層が壁の中に入った湿気を逃がす役目があり、
その為、通気胴縁の下に張った防水シートは透湿性のあるもの
になる。暖房をガンガンに焚く北海道は この通気層がないと、
壁の中で結露し、木を腐らせ、カビの原因にもなったりする。
これは暖房に限らず、冷房する夏場にも同じ事が言える。

空気の入り口、通気胴縁の足元。虫の侵入を防ぐ防虫網を取り付ける。

この通気層には空気の入り口と出口は特に重要になる。 しっかり
空気が入り、きちんと抜けなければ停滞するので意味がない。

▲通気層の上部、壁の通気の出口であり、屋根の通気の入り口。

隙間だらけの家では、ここまでの通気層などは必要がないが、
最近の高気密高断熱の家では、こうした細かい施工がなければ、
建物の寿命が30年といった短命なものになってしまう。

▲通気胴縁の上にボードを張る。軒天にも通気の出入口がある。
ボードの上にルーフを張って壁下地の出来上がり。

単に延命ではなく、せっかく古い建物を再生するので、
更に未来へと残せるものに再生したいと思う。

つづく。

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