第41話:塗装工事

常盤坂の家は、正面にも足場が組まれ、ネットで覆われました。

先週、お風呂の防水の打合せに来て下さった伊藤防水の伊藤先生。
塗膜が剥がれ、無惨な姿だった常盤坂の家の外壁を見て、塗り替えて
くれる事になり、忙しい仕事の合間を縫って連日来て下さった。
伊藤先生というのは、伊藤道場という碁会所もやられている囲碁の
先生でもあり、同じく囲碁の先生をやっているウチの奥様の指導も
してくださる先生でもあり、夫婦共々お世話になっている。

▲剥離が目立つ塗膜。緑の苔が生えている場所もあった。
▲出窓小屋根の破風・化粧たる木も腐食して朽ち果てていた。

先週の暑かった金曜日、2間隣りのご近所さまからお水を拝借し、
エンジン式の高圧洗浄機で剥離した塗膜を一気に落していく。

▲びしょ濡れになりながら高圧洗浄を掛けてくれる伊藤先生。

下見板を乾かしている間、屋根に登り、屋根の錆をヤスリで落し、
錆び止め塗装をしていく。

▲屋根の塗装は、雪止めに脚を掛けながらの危険な作業。
▲錆び止め塗装完了!錆び止めの色も好きだなぁ。

下見板が乾いたら、高圧洗浄では落ち切らなかった古い塗膜を
スクレーパーや、ヤスリでケレンして落していく。

▲白の塗膜の下から、昔の痕跡でモスグリーンの塗膜も出てきた。

翌日、錆び止めを塗った屋根に1回目の塗装。

▲伊藤先生が特別に頼んでくれたニューレッドという色。

若干ピンクに近い赤が、常盤坂の家に合っていてまた素敵な
チョイスです。天気が良く、塗ればすぐに乾いていきます。
朝に1回、3時から2回目の塗装で 屋根の塗装が仕上がりました。

▲ツヤツヤしています。お陰様で後10年は安心かな。

屋根を塗って頂いている間に、出窓の小屋根の破風・化粧たる木
の修復を行ないました。こちらの出窓の化粧たる木は意匠的には
とても珍しい凝った作りになっています。
まずは化粧たる木の朽ち果てた部分を、新たに杉のたる木から
見よう見マネでノコとヤスリで削り出します。

▲既存の化粧たる木から墨を写し取り、削り出す。

2段破風になっていた破風は、2段目だけを撤去して、新たに
2段を付け加えるように補修する。

▲外科手術のような補修ができるのも木造の良いところ。
▲猫足のようにも見える意匠の化粧たる木、補修完了!

ケレン処理が終了した外壁に、下地調整材のシーラーを塗っていく。

▲防水屋さんさすが!独特のマスキングテープの張り方。

木製サッシは特に傷みが激しくなる部分だが、常盤坂の家では
外側に後付けサッシが付いていた為、辛うじて生き残っていた 。

▲ガラス押さえの押縁だけは、部分的に補修した。
▲木製サッシも2回塗り。だんだん蘇ってきた。
▲窓辺の風景も見違えるほど良くなってきた!

そして外壁も2日に分け、2回塗りで仕上げていく。

▲応援の職人さんも呼んでくれて正面を一気に塗り上げる。

正面が塗り終わったら、横に足場を組み替えてくれ、錆びた板金
をケレンし、2回塗りで両サイドの板金壁も仕上げてくださった。

▲腐食の進んでいた板金が再び息を吹き返した。

そして今朝、足場が外され蘇った常盤坂の家が顔を現した。

なんという事でしょう!

▲朽ち果てていた出窓廻りも綺麗になり、
▲屋根や下見板張りの外壁も綺麗に塗り変わり、
▲常盤坂の家もどこか喜んでいるように見えます。
▲常盤坂の景観がガラッと変わりました!

伊藤先生が塗り替えてくれた常盤坂の家は、常盤坂の景観を
変えてしまうほど、輝いて見えるではないですか!
空の上から、建て主で初代の大川福造先生も喜んでくれている
事でしょう。こうしてこの家は未来へと受け継がれていきます。

伊藤先生、本当に本当にありがとうございました。

つづく。