旧松橋商店リノベーション

写真:函館市中央図書館所蔵 函館仲浜町通り(西部の景)Hakodate Nakahama Street(pc001269) 明治時代後期

 

「旧松橋商店」は明治35年に建築され米穀・海産物委託問屋として歴史は始まった。函館デジタルアーカイブ
よりこの一枚の写真を発見し、復元図を起こしていった。
写真左端にはニチロの創業者のひとり平塚常次郎の居宅があり、ちょうどその隣が旧松橋商店になる。創建は
定かではないが明治45年にはこの地で、商いをしていた記録が残っている。写真右端は、当時の外国人居留地
であり、その隣の木塀の向こうが海になり、ここから荷揚げを行っていたのがうかがい知れる。現在は埋め立て
られ、緑の島へと通じる。ちょうど、この地域が開港とともに栄えた中心的な場所だった。
その当時と変わらない場所に存在するが、その外見の姿からは当時を思わせるものは何一つ残っていなかった。
いったん、取り壊されそうになったこの建物を借り受け、当時の姿への復元・保存活用を計ろうと、民間の有志
が集まり旧松橋商店のリノベーションが始まった。函館の生きた歴史的財産として、古き良き建物を後世へと
引き継ぐ為の仕組み作りから活用まで、有志自ら資金を出し進めている。しかし400㎡を超える建物の維持
管理は並大抵のものではない。今回は、主に外観の復元を主体に進め、内部は入居者と共にさらに工事は進む。
同じ志をもった入居希望者を探しながら、リノベーションは進んでゆく。