第6話:自然農法の米ぬかで床磨き〜完結編〜

家具も揃い完成したかと思いきや、『茶の間プロジェクト』には最後の大仕事が
しっかりと用意されていました。浮づくりした道南杉の床板に、瀬棚町で無農薬・
無肥料の自然農法でお米を作っている秀明ナチュラルファーム北海道の富樫さん
からご提供いただいた米ぬかを使って床磨きを行ないます。

▲米ぬかは一番農薬に触れる部分ですが、無農薬の米ぬかは安心して使えます。

ぬか袋は、稲葉係長の奥様が木綿100%の生地で一枚一枚縫ってくれました。
そのぬか袋でまずは稲葉係長が床磨きを実演。結構、力を入れて押し付けるように
磨いていくと、米ぬかに含まれる植物性の米ぬか油がじわ〜っと染み出してきて
本当に優しい艶を与えてくれます。これも、お米が主食の日本人独自の文化です。

その後お披露目会が始まりました。まずは函館視力障害センターあん摩クラブの
みなさま。11人でちゃぶ台を囲んでさっそく美味しいお茶を飲んで団欒です。

▲棟梁の繁工務店の西村さん(左端)も加わり和やかな団欒です。

さらに施設見学に訪れた福祉専攻の学生さんが加わり 、交流会が始まりました。
この交流会では学生さんにあん摩体験を通して交流してもらうのと、 自然農法の
米ぬかで床磨きの体験もしてもらいました。

▲早速稲葉係長が米ぬかの説明。大工さんの労も労ってあん摩を受けてます。

学生さんはアイマスクをして、全盲の方の擬似体験をしながらの床磨きもしました。

▲目を塞いでも畳のい草の感触や、床の浮づくりの感触は分かります。

自然農法のぬか袋では、いろんなところを拭き拭きしてもらいました。自然農法の
米ぬかならお顔に塗ってももちろん大丈夫です。

▲道南杉の格子のスクリーンや、ホオの木の建具など無垢材はどこでも大丈夫。

最後には、みんなちゃぶ台の周りに入り乱れ、すっかり打ち解けた様子です。

▲みんないろんなツボを押してもらい身体が軽くなったと驚いていました。

わずか14帖の茶の間に30人ものひとで和気あいあいのお披露目会&交流会と
なりました。廊下にも入れずに立ち見が出る程でした。

▲左の稲葉係長とも、意義のあることをやれて良かったと話していました。

茶の間も愛着をもって使われ、皆の笑顔があって生きるのだと改めて感じました。

▲皆の声や笑顔が廊下までにじみ出てきます。とても暖かいものを感じました。

最後に茶の間プロジェクトを主導して頂いた視覚障害センター稲葉係長を始め、
教職員の方々とまた様々な人の繋がりとご協力のもとで無事に完成することが
出来ました。この場を借りて御礼申し上げます。

▲『茶の間プロジェクト』に関わった半年間、とても幸せな時間でした。

いよいよ茶の間も完成となりました。ここで生活するみんながこれからは、
茶の間でちゃぶ台を囲んで友情を深めて頂ければいいなと心から願います。

完!