第37話:天井の復元

7月は現場に夜の設計作業と、身体に無理をし過ぎてしまい
後半は夏風邪でダウンし、現場作業は少し抑えておりました。

ダウンする前にファイヤピットの大石さんがトイレの床下の
給排水工事に来てくれました。ようやく大石さんの出番です。

▲床下の給排水の配管をする大石さんの背中。

その間、1階の押入の上の、もともと天井裏になっていて使われ
ていなかった”勿体無いスペース”を、大収納スペースにする為に
鴨居に合わせて下地を組み、その上下を構造用合板を挟む事で、
サンドイッチパネルにして薄い大収納の床を組んだ。

▲1mの高さの収納スペースが各部屋に新たにできる。

そして夏風邪から復活。トイレは段取り中の為少し置いといて、
体調を崩したお陰でさらに工程も切迫してきたので、先に2階
住居スペースに取りかかりました。まずは大掃除。

▲手前が道路側の和室2間、廊下&押入を挟み奥が和室一間。

2階は床の構造補強から進めます。作業スペース等も必要なので
廊下から手前の床を作ってから、奥の床をやる段取りになります。
まずは押入部分と廊下を解体します。

▲ヒバ材の廊下にはガムテープが何カ所も張られていた。
▲剥離スプレーでなんとか綺麗に剥がせた。
▲雇い実で納めた板は下からバリを入れると簡単に外せる。

こちらのヒバの板も、もちろん再利用していきます。

▲細分化された壁が取り払われると空間がすっきりする。

解体を終え、1階天井上のホコリやネズミのフンなどを掃除機で
しっかり吸い取り綺麗にしてゆきます。
現在の床の根太だけでは剛床としては下地が荒いので、根太の横
に小根太受けを打ち、根太と直行方向に小根太を掛けてゆきます。

▲垂木欠きをしたものが小根太受け。水平筋交いの所が大変。
▲小根太を掛けると一気に床下地の強度も上がる。
▲キッチンなど重いものが載る所などは更に細かく入れる。

床の下地の補強が終わったら、ようやく1階の天井の復旧へ。
以前、土台の入れ替えや柱の根継ぎをする時に、 梁にジャッキ
を掛けて建物を上げるのに、あちこちの天井を剥がしていた。

▲天井の復元は地味に大変な作業。昔の匠はよくやったものだ。

天井の作業と言っても、床の無い状態の2階から下向きに作業する。

▲天井の杉板を綺麗に並べ、上から猿棒に釘で留めます。

板を留めたら、楔で重なりの部分の天井板を押さえる。
やはり、横から眺めると稲子に見える。

▲イナゴ天井は手間が掛かるがやっていて面白い。

続いて玄関の天井を復元。こちらは周りの壁を耐力壁にしたので
天井の周りにある廻り縁も、寸法が変わってくるので更に大変。

▲玄関の天井は一番目に付く部分。

なんとか元の廻り縁を丸ノコで裂いて厚みを調整する。

▲廻り縁を取り付け、そこに竿縁を掛ける。

なぜか玄関の天井だけは稲子はついていなかった。

▲復元した玄関部分はイナゴではなく竿縁天井。
▲他の部屋で使っていた木でできた照明器具のベースを付ける。
▲仮設の電球をぶら下げ、復元完了。

なんとか無事に天井の復元ができました。
得意ではあるが、さすがに細かい作業でした。

そして、ちょっと前の写真になりますが、8月1日の函館港の
花火大会。常盤坂の家から見えるだろうと思っていた花火。
やはり、2階の奥の部屋から綺麗に眺めることができました!
自宅から花火が見えるなんて、、、なんて贅沢なんだ。

▲常盤坂の家で、妻と2人でしばし花火見物。

さて、北海道の短い夏はそろそろ終わりが近づいてきました。
スピード上げて頑張ります!

つづく。