現在の宝来町の一角で『渡辺美容院』として1943年に開業し末広町へ移転。
その後リフォームや増築を重ねて行く度に店のデザインもチグハグになり、
客導線が裏導線と交錯するなど様々な不都合が生じていた。
レジと待合室の場所を入れ替えを主体としたインテリアのデザインとなった。
当時、東北以北最大の繁華街でハイカラな文化にあふれていた十字街商店街近辺。
その商店の古典的な街の連なりを内部に取り込むように、
細長いプランを活かし裏導線を一直線に整理して、街並みを模した壁を通した。
現在は若いスタッフで切り盛りしているが、当時を知るこの地域に暮らすご高齢の
昔ながらの常連客も多く、壁沿いに手摺りが渡せ、レジカウンターの横には
腰を掛けながらお話が出来るようベンチが引き出せるようになっている。
現在市内に4店舗を展開する同店の発祥の地で、その原点を振り返り、
その歴史を見つめ直し、これからのお店の在り方を考える店づくりとなった。