常盤坂の家は、運良く天気に恵まれ外周部の改修日和です。
これから、大工さんに応援を頼み少しハードワークが続きます。
南側の屋根と壁は特に傷み具合が激しく、すべてを直すとなると
コストと手間が掛かり過ぎるので、中途半端に出ていた軒先と
腐りかけていた2階の出窓は、この際、切り落とす事に。
まず2階の出窓、南側の外壁、1階出窓の小屋根を解体する。
2階の胴差には元口(根に近く太い方)7寸の太鼓梁が入っているが
2間間にとってはいくら太鼓でも細すぎるので1階の出窓の鴨居は
梁が下がった分、鴨居も下がったので戸の走りがキツくなっていた。
下の写真は、太鼓梁の真ん中から1階の出窓の鴨居を吊るように
入っている吊り束の細工 。鴨居に蟻ホゾ入り隙間は横から楔。
まさに釘を使わないでの仕事です。
今回は、鴨居をジャッキで上げ、補強梁を入れ外から構造用合板で
太鼓梁と繋ぐ事で合成梁のように補強し鴨居のたわみを直す。
構造用合板を張って初日作業終了。
次の日は繁さんに、吉岡さんを加え3人で作業。屋根の真っ赤に
錆びたトタンを剥がしていきます。剥がすと防水紙が出てきて
その下は杉の柾板、更に下に野地板となっているのですが、この
防水紙を剥がすと、柾板がバラバラになるのでここは残す。
そして、墨を出し、中に開口補強を入れ屋根に穴を開ける!
そうです、天窓。お風呂には窓ではなく天窓が付きます。
続いて軒先を切っていきます。屋根の垂木は浮き上がり防止の為
ひねり金物等を付けなければならないのですが、今回使うのは
それよりも耐力があり施工性もあるタルキックというビス。
これを桁、母屋、棟とすべての垂木と緊結し補強します。
垂木をタルキックで留め、軒先の野地板を取り替えたら、壁の
透湿防水シートを張り、屋根には透湿性のあるルーフィングを
張り、壁と屋根に通気胴縁をながす。透湿性のあるシートは、
壁や屋根の中に溜まった湿気をこの通気層を通じて外に逃がす
働きをする。時に暖房をガンガン焚く北海道ではこの通気層が
ないと、壁の中で結露し、木は腐りカビが生えたりする。
逆に冷房をかける本州でも同じ事が言えるのでとても重要。
通気胴縁の上に、水平構面の補強も兼ねて構造用合板を新たな
野地板として張り、天窓部分をくり抜き設置する。
天窓を付け。防火戸のサッシを取り付けこの日も作業終了。
そして翌日は吉岡さんと二人での作業。野地板を全て張り、
壁の通気胴縁の上に破風を取り付けます。
天窓の水上には、上に雪が溜まらないようにジャンプ台を付ける。
そして、再び嶋崎板金さん登場。ルーフィングを 施工してもらう。
下の写真は破風の拝み部分。屋根の棟に溜まった空気がすべて
こちらから抜けるようになる。
ドタバタの3日間、屋根の上は熱かった。
現場の足元は解体材の山。数日は片付けに追われそうです。。。
つづく。