だいぶ暖かくなってきたここ函館山の麓の常盤坂の家には、
富樫雅行建築設計事務所宛の郵便物が届くようになりました。
未完成の事務所には未だ看板はなく、あるのは張り紙だけ。
日中現場にてトンカチトンカチ、夜は自宅の仮オフィスで
カリカリ、パタパタの日々であります。出足は悪いですが、
富樫雅行建築設計事務所として歩み始めております。
さて、常盤坂の家には壁や床に張る針葉樹合板が届きました。
この構造用合板を張る事で、筋交い等の代りに 横からの力に
耐えることのできる耐力壁になります。筋交いを入れるより
断熱材が入れやすく、気密も良くなり、張る事で構造と内装を
一度にできたり、とても合理的に耐震補強ができるのが特徴。
まず、階段踊り場部分の床と壁も針葉樹合板で補強する。
初めて丸鋸で切って張ったわりには、とても施工しやすく、
それなりに綺麗に張れるのがいい。
次は、新たに物置になる部分。ツタが絡まり、ガラスも割れ、
枠も壊れている窓は塞ぎます。間柱を建て、外壁面なので内側
から透湿防水シートを張り、下地を組んでいきます。
窓は板で塞ぎ、外側に透湿防水シートを張り応急処置。
常盤坂の家は準防火地域になるので、新たに外壁になる部分は、
防火構造の外壁にしなければなりませんので、後から石膏ボード
に、ガルバリウム鋼板で仕上げる事になります。
階段下も耐力壁になるよう張っていくと、だいぶ綺麗になって
進んだように見えるようになってきました。
次に玄関と階段の間も耐力壁にすると、道路側に壁がほとんど
ない常盤坂の家の耐震補強 にとっては重要な壁になる。
続いて玄関を入ってすぐ右の壁。配線を灯電気の替地さんに
整理して頂き、透湿防水シートを内側から隙間無く張る。
そして、今日は知り合いの解体現場から捨てられていた木材を
頂いてきた。当然、みんな薪にするんだろうと思っているよう
だったが、常盤坂の家では、下地材として再利用します。^^
既存の外壁下地の垂木に、更に垂木を背負わせて内部の壁下地
を組む。計算上、横貫は取っても問題なく、施工もしやすいが、
後世に残したいので、垂木を欠き込み 活かしつつ残す。
下地ができたら高性能グラスウールの断熱材を入れる。
断熱改修も今回の目標のひとつ。布団の綿入れと同じように、
隙間無く、ふんわりとなるよう詰め防湿フィルムで押さえる。
そして構造用合板を張り、耐力壁とする。
壁を張り出すと早いが、見えない部分にとても手間は掛かる。
この家を建てた匠と同じに、こちらも丁寧な仕事で答えたい。
つづく。。。