第22話:未完成

拝啓 常盤坂の家もついに4月を迎えてしまいました。
当初予定では、完成して目出度く事務所の開設だったのですが(汗)
遠く及ばず、 ひとまず未完成のまま事務所開設となりました。。。

未完成の事務所の様子。手前が打合せテーブル、真ん中が作業場。

実際の設計業務は、現在の自宅でやっております。
ただ、改修途中の常盤坂の家は、家造りをこれから行なっていく
お施主さまにとっても生きた教材となるので、打合せ等にもすでに
活用していて、実際に骨組み等を見ながら説明できたり重宝します。
また、雪解けも進み通りすがりの方も、何をしているのかと覗いて
入って見てくれる方も増え、古民家を懐かしみ常盤坂界隈 の昔話し
を聞かせてくれたり、応援の言葉を頂いたりと励みにもなります。
3月によりめっきり現場に来れなくなり、進んでいません。
それでも早く引っ越しが出来るよう頑張ります。

さて、常盤坂の家では、、、
階段の踊り場を一度解体して、構造補強を入れる段取りをします。

▲とても味わいのあるヒバの板を大事に取っていきます。
▲板は3方向、雇い実という細かい細工で取り付けてある。

踊り場を取り外し、階段周りの壁や床の水平構面をしっかりと
連続させて力が伝わるように していきます。

▲踊り場を外した様子。外壁には中から、透湿防水シートを張る。
▲しっかりと木を組み骨を入れていきます。

この下地に使っている垂木などは、綺麗に解体したものを再利用
したり、一部腐った大引などを自分で丸鋸で裂いて製材してから
再利用していきます。材料を無駄無く使えるのも木造の良い所。
76年経った木は、削れば今でも良い香りがしてきます。

▲階段横の壁下地も再利用の材料で組んで行きます。

常盤坂の家は、ヒバや杉の木の香りに包まれております。

つづく。