第13話:寒波のなか

この冬一番の寒波の到来と共に、基礎補強工事がスタート。
前日の晩から30センチの積雪があり、まずは道路の雪掻きをし、
準備を整え、基礎工事をお願いしているSK佐々木建設の皆さんが
ダンプにユンボを積んで、現場に乗り込んできました。

▲この日の為に、昨年から豆に道路の雪も掻いていた。

早速、ダンプ2台の後ろにユンボを配置するように陣形を整え、
嵐の中の作業がスタートした。まずは、坪庭から出てきた大量の
残土の処分。通称、猫(工事用の一輪車)に土を積み外へ。

▲冬場の危険な坂道に重機が並ぶ。
▲ほとんどが黒土だったので処分するのも勿体無い。

猫で外に待ち受けているユンボのショベルの中に土をあける。

▲外は嵐のような天気。−10℃

そして、ユンボでダンプに積み込む、という流れ作業で進める。

▲少しづつ、土を排出する流れ作業。

SK佐々木さん から職人さん4人。+私の計5人。一人がユンボ、
2人で土を掘り、2人で猫を押す連携プレーになります。
SK佐々木さんはとてもチームワークが良く、面白い。

▲中は段差があるので、歩み板で移動。
▲土の山は、表面はカチカチに凍っている。

坪庭に堆積した黒土を中に入れるのに一人で10日もかかったのが、
見る見るうちに無くなっていく。 やはりプロは早い。

▲表面の凍った土の塊が見える。凍った土は本当に凍りのようだ。。。

左の奥の元の床の間からは、坪庭でも出てきていた岩盤が顔を出す。

▲そして中の土からも、天然の栗石が多く出てくる。

あれよあれよと、結局午前中で坪庭からの残土は姿を消した。。。

▲残土が無くなりとてもスッキリした内部。
▲ダンプに積まれた坪庭からの残土、約4立米。

坪庭からの残土の処分が終わると、次は中の残土を処分する。
中の土に隠れた基礎を出すように、全体を掘り下げていく。

▲ロンTになり、2人分働く勢いのある職人さん。頼もしい!
▲土台の下から30センチ掘り下げている。

基礎補強工事の初日は、中の間の残土撤去まで終わった。

▲土嚢袋は、土間や基礎を解体した時のコンクリート殻。

2日目、格子の間からのスタート。この日も真冬日。

▲格子の間だけは地盤も乾燥していた。

私の担当の押入の中。石垣の上に10㎝のコンクリートがあり、
その上に土台が載っている。石積基礎からの冷気で土は氷のように
中まで凍りピックで解体しながら進む。

▲ファイヤピットさんに借りたピックは大活躍。
▲石積基礎の3尺中通りは独立基礎になっている。

石積基礎は今回のリノベーションではコストが掛かり過ぎるので
手を付けないが、その上の10㎝のコンクリートと、スラブを
一体に打ち、地震の揺れによる石積基礎の倒壊を防ぐ。
石積基礎の淵は、独立基礎から斜めに、土台下50㎝掘り下げ、
砕石も厚くして、基礎の凍上を防止する。

▲石積基礎と独立基礎の間を見る。
▲土台、コンクリート、石積基礎の断面。隙間から外が見える。
▲北西側、北東側が石積基礎になり、こちらは北西側(道路側)。
▲基礎が出て建物が持ち上がっていて、発掘現場のよう。

上の写真で右手前の柱が常盤坂の家の大黒柱になり、ここに一番
建物の荷重が掛かってくるので、このラインは更に深く掘り下げ、
地中梁を入れて、基礎に上からの力を分散させるようにする。

▲元、水回りだった部分。真ん中に地中梁が走る。

内部の根切りも終わり、続いて掘った部分に砕石を入れていきます。
砕石を敷き固めることで、地盤に均一に荷重を伝えることができ、
寒冷地では、地盤の凍上も吸収し軽減してくれます。

▲排出するよりも、入れる方がアッという間に終わる。
▲掘り下げた地中梁の様子。
▲奥からプレートで砕石を転圧し締め固める。
▲しっかり締め固めるのが大事なポイント。

寒波の中、嵐のような2日間が終わり、一旦私にバトンタッチ。
既存の基礎に鉄筋を差す、差し筋工事をひとり進めてゆきます。

つづく