5月から、ヘリテージ・マネージャーの育成講座を受けるべく、
ひと月に2回ほど札幌に通っておりますが、その中で地域の文化遺産を
実測し、図面や歴史的な考察を踏まえた初見を作る演習の一環として 、
函館YWCAさんの建物を先日調査させていただいた時の記事が、
9月1日の北海道新聞(夕刊)で紹介されました。
函館YWCAのある 緑町通りは大正時代に函館四天王の一人渡辺熊四郎に
よって開発された当時でいう郊外型住宅地でした。 分譲の際に、前後に
庭を設けること、屋根は緑色にすること、洋風の応接間を設けること等
条件とされ街並みを整えていきましたが、現在その面影を残すものは、
函館YWCAと他1〜2件程度で、調査の少し前にも数件が取り壊されて
しまいました。 大正〜昭和にかけての函館の街の広がりを見るうえで、
とても重要な建物と言えます。私たちの身近には、まだまだ気づかない
遺産がたくさんあります。そうした遺産を少しでも多く記録し、守り、
活用方法などを伝えてゆくのがヘリテージ・マネージャーの使命です。