第7話:常盤坂の石庭

さて、解体も程々にして、基礎工事の段取りに入っていきます。
基礎工事の前に、坪庭に手をつけなければなりません。
建物の南東側に位置する坪庭には、擁壁の上の家の屋根から
雨や雪が全てこちらに流れ落ち、とても湿気ています。
さらに、土台よりも坪庭の地面の方が高くなっている為に、
土台が腐ってしまっています。

▲坪庭を見る。4mの擁壁の向こうは公園になっている。
▲角の出っ張った所が物置部分。手前に見えるのが梅の木。

リノベーションや、改修をする上で最も重要になってくるのが、
悪い部分の原因を突き止め、根本から改めること。
今回は、土台から30センチ下がるまで坪庭の土を処分する事に。
ただ、基礎工事のスケジュール調整が立たず、年開けなるので、
根雪になる前に、建物の中に土を入れておかなければなりません。

▲そうこうしている間にも雪がチラチラ。急がねば。

早速、穴掘りスタート。べちゃべちゃで重く、かなりの重労働。

▲表土はほとんどが黒土になっている。

土と一緒に、大小たくさんの石が出てくる。さらには敷石まで。
敷石として並べていた上に、土が堆積していたようだ。

▲石を端にかためていくが。。。
▲埋まっていた土台は土になりかけている。

あまりに、石の割合が多いので、掘り下げた部分に敷いていく事に。

▲10センチ前後のゴロゴロした石がいっぱい。

玉石というよりも割栗石。庭に石を置くのは、水はけが良くなるのと、
防犯上も、泥棒が歩く音が聞こえたりするので有利にはなる。
建物側は40センチ、擁壁側は70センチ掘っている。
かなり深く掘っているのだが、念には念をという事で、庭の真ん中に
さらに深さ60センチの自家製雨水浸透枡を掘る事に。

▲擁壁に元の地面の高さの跡がでているのが分かる。
▲中に石を詰め、更に建物から勾配を付けた水道も作る。
▲さらに石を被せ出来上がり。かなり原始的だが効き目は十分。

すっかり石だらけで、石庭のようになってきました。
土から、石を仕分けしながら、掘っては石を並べ進んでいきます。
すると信じられない光景が!!!

▲土台から太い根っこが飛び出している!

埋まった土台が腐り、土へと還りそこに梅の木が侵入してきたのか。
さらに進んでいくと、侵入経路が見えてきました。

▲パイレーツ・カリビアンでも見ている光景。

この根っこが何故、このように浅い経路で根を張っていったのか、
ここで更に衝撃の事実が!!!上の写真をもう一度良く見てもらうと
根の下の盛り上がっている部分。これが岩盤だったのです。
まさに、岩盤の上の石庭ということになってきました。
驚きです。この根も仕方なしにこのルートを取ったのでしょう。
こちらの梅の木は当初、残すつもりでいたのですが、ここまで
地面を下げると、岩盤もあり根を張れなくなってしまうので、
仕方なく切り倒すことを決意しました。

▲立派な幹の姿が好きだった梅の木。残せず残念です。
▲枝を落とすと凄い山に。
▲枝の処分だけで一日がかりでした。遂にまた雪が。
▲家の中は、ダンプ一台分の黒土の山に。

こうして並べてみるとあっという間に見えますが、、、
穴掘りを始めてから、10日近く掛かってしまいました。
基礎工事が来年の年明けになり、すでに工程は1ヶ月遅れに。
ひとつひとつが楽し過ぎて進まないし、参りました。

つづく。。。