第17話:大屋根の家 遂に完成!!

いよいよ大屋根の家の工事記録も最終話になりました。
外構も無事に完成し、大詰めの細かい作業が続きます。
カーポートの4隅にある物置の扉を取り付けに福田建具さんが
来てくれました。唐松の扉はなんとも可愛いらしい。

▲白いカーポートに唐松の扉の木目が良く栄えます。

真っ白なカーポートを潜ると一気に唐松の空間に包まれます。

▲梁の上にも、カヌーを乗せたりいろんな使い方ができます。

愛嬌のある唐松の扉は、木目を活かし桐油を塗って仕上げます。

▲取っ手は杉の木を台形にして手掛かりをつけ自作。

4つの物置を作りつつ、そこに屋根を掛けできた余剰スペースで
カーポートと薪棚がコストを落しながらも生まれました。

そして、大屋根で生まれた1mもの軒下も薪棚になります。
玄関の西側に2間幅、反対側は4間幅の薪棚ができました。

▲GWに割った薪を軒下に積んでみる。
▲そんな薪棚に近くにいた立派なクワガタをご招待。

中では杉の床にある抜け節を小枝で埋める地道な作業が。

▲山田さんに頂いた小枝がとても役立ちました。

そして大工さんも一緒になっての美装。工事中についたホコリ等
綺麗に落してゆきます。

▲窓拭きから、サッシの汚れ、木部は拭き掃除など。

綺麗になった空間に、大屋根の家で主となる取って置きの黄肌
(キハダ)の木で作ったダイニングテーブルが運びこまれました。
大屋根の家のある鹿部町。町名の由来がアイヌ語で『シケルペ』
=『キハダのあるところ』という意味からきている。この地に
住んでいた先住民族アイヌの人たちは、この黄肌を神聖な木として
尊重していたという。樹皮の部分は漢方薬として今でも重宝される。

▲厚沢部の鈴木木材さんで特別に用意していただいた天板。

こちらに移住されてくる建て主さんの為に、この土地のモノを
使って、早くこの地に馴染んで頂けたらと設計を始める前から、
家の中心であるダイニングテーブルは、この黄肌の木で作ろうと
考えていた。遂に納める時がやってきた。感無量です。
キッチン天板と共に、木の呼吸を妨げない植物由来の天然WAX
で仕上げていきます。

そして現場の仮設電気のポールを下げにきた高所作業車に便乗し
空撮を試みる。しかし道路と敷地奥の約2Mの落差はさすがに
写真ではなかなか伝わらない。

▲高所作業車から見ると配置が良く分かる。

電気を本設に切り替え、北海道電力による検査も行なわれました。

▲引き込み電柱からは埋設。足元に水道メーター、散水栓もある。

つづいて、鹿部町による水道の検査も行なわれました。
この時期の鹿部町はお祭りモードのようです^^

▲毎年8月の第三土曜日は鹿部町のお祭り&海上花火大会。

漁師さんも使うスパン糸で、繁工務店の西村棟梁は楢の細い
丸太に猫ちゃんの爪研ぎ用の縄を巻いている。

▲函館の船舶関係のアンティークを扱う小森商店の縄。

それが、キャットステップボックスの下に取り付きます。

▲猫達はここでちゃんと爪を研いでくれるでしょうか。。。

そして、ダイニングチェアも設置されました。

▲これで大屋根の家の食卓も完成。

キッチンの勝手口を出たところにはガーデンシンクも設置され、
伐採から始まって5ヶ月に及んだ大屋根の家も遂に完成。

▲ドッグランの板塀はチョコマーブル仕上げに。

最終日の今日は、見学に来られた方にいろいろと説明をしながら、
2011年の6月に始まってからの事が走馬燈のように
浮かび、西村さん、大石さんとも昔話しに花が咲きました。

▲ようやく大屋根の家に明かりが灯りました。

引き渡し前の最後の夜、しばらく見惚れていました。
よく次のステップの為などに現状に満足するなとか言われますが、
決して完璧ではないのですが、とても充実感に満たされています。

▲明かりが灯ると、家に息が吹込まれたようです。

明日8月15日は、いよいよ大屋根の家も引き渡しです。

お施主さまは喜んでくれるでしょうか。。。