いよいよ大屋根の家の工事記録も最終話になりました。
外構も無事に完成し、大詰めの細かい作業が続きます。
カーポートの4隅にある物置の扉を取り付けに福田建具さんが
来てくれました。唐松の扉はなんとも可愛いらしい。
真っ白なカーポートを潜ると一気に唐松の空間に包まれます。
愛嬌のある唐松の扉は、木目を活かし桐油を塗って仕上げます。
4つの物置を作りつつ、そこに屋根を掛けできた余剰スペースで
カーポートと薪棚がコストを落しながらも生まれました。
そして、大屋根で生まれた1mもの軒下も薪棚になります。
玄関の西側に2間幅、反対側は4間幅の薪棚ができました。
中では杉の床にある抜け節を小枝で埋める地道な作業が。
そして大工さんも一緒になっての美装。工事中についたホコリ等
綺麗に落してゆきます。
綺麗になった空間に、大屋根の家で主となる取って置きの黄肌
(キハダ)の木で作ったダイニングテーブルが運びこまれました。
大屋根の家のある鹿部町。町名の由来がアイヌ語で『シケルペ』
=『キハダのあるところ』という意味からきている。この地に
住んでいた先住民族アイヌの人たちは、この黄肌を神聖な木として
尊重していたという。樹皮の部分は漢方薬として今でも重宝される。
こちらに移住されてくる建て主さんの為に、この土地のモノを
使って、早くこの地に馴染んで頂けたらと設計を始める前から、
家の中心であるダイニングテーブルは、この黄肌の木で作ろうと
考えていた。遂に納める時がやってきた。感無量です。
キッチン天板と共に、木の呼吸を妨げない植物由来の天然WAX
で仕上げていきます。
そして現場の仮設電気のポールを下げにきた高所作業車に便乗し
空撮を試みる。しかし道路と敷地奥の約2Mの落差はさすがに
写真ではなかなか伝わらない。
電気を本設に切り替え、北海道電力による検査も行なわれました。
つづいて、鹿部町による水道の検査も行なわれました。
この時期の鹿部町はお祭りモードのようです^^
漁師さんも使うスパン糸で、繁工務店の西村棟梁は楢の細い
丸太に猫ちゃんの爪研ぎ用の縄を巻いている。
それが、キャットステップボックスの下に取り付きます。
そして、ダイニングチェアも設置されました。
キッチンの勝手口を出たところにはガーデンシンクも設置され、
伐採から始まって5ヶ月に及んだ大屋根の家も遂に完成。
最終日の今日は、見学に来られた方にいろいろと説明をしながら、
2011年の6月に始まってからの事が走馬燈のように
浮かび、西村さん、大石さんとも昔話しに花が咲きました。
引き渡し前の最後の夜、しばらく見惚れていました。
よく次のステップの為などに現状に満足するなとか言われますが、
決して完璧ではないのですが、とても充実感に満たされています。
明日8月15日は、いよいよ大屋根の家も引き渡しです。
お施主さまは喜んでくれるでしょうか。。。