上棟式から早いもので1ヶ月が過ぎようとしています。
大屋根の家では、外壁の唐松の板張りが進んでいました。
無垢の板はサイディング等とは違い、生き物のように一枚一枚の
素性が違うので、 しっかり吟味しながら張っていきます。
縦張りなので、長手方向で継ぎ足しになるところなどは、斜めに
勾配をつけて水を返すように継ぎ足していきます。
普通の外装などでは2、3日で張り終わるのですが、天候に
恵まれなかった こともあるのですが、2週間弱を要しました。
全てが張り終わると、板の下端のレベルを出して行きます。
そして最後に板の下端を同じ高さで切り揃えてゆきます。
唐松の板を張り終えると、サッシと目板、サッシと水切りとを
変成シリコンでコーキングしていきます。
とても手間が掛かった外壁張り工事も完成し、棟梁の西村さんも
達成感を感じながら、いいね〜と喜んでくれるのが、また何より
嬉しいことです。そしてそんな大工さんから私にバトンタッチ。
この唐松を塗装で仕上げていきます。
外壁の塗装は、最後の最後の見積り調整で カットしていたので、
カットした私自ら、仕上げる事になりました。
唐松はとても腐りにくい木なので、塗装はいらないのですが、
木が日焼けし徐々にシルバーアウトしてから、やがて 黒ずんで
いく過程を味わいとして好しとするかで、それぞれ違います。
施主の好みや建物のキャラクターで塗装することになりました。
ペンキでも、塗膜が後から剥がれてくるようなものではなく、
特にメンテナンスの掛からない浸透性の防腐塗装にしました。
色は白。夏は周りの緑が映え、冬は白銀の中に大屋根が浮かび、
中の明かりが暖かい雰囲気を出してくれます。
唐松は油分が多い木なので、ムラになりやすい。塗った時は
白いのですが、乾いていくと木が塗料を吸い込んで、だんだん
薄くなっていきます。 1回目だと、塗ったのか塗ってないのか
分からない位にまで薄くなってしまいます。
ひとりだと1回塗るのに3日位掛かってしまいます。
2回で仕上げる予定だったのですが、思った以上にムラがあり
塗料も残っていたので、更にもう1回塗ることにしました。
写真では真っ白に見えてしまいますが、肉眼では3回目では
真っ白になり過ぎず、木目も見えつつ、少しのムラが自然な
風合いになり上手く仕上がりました。結局、塗装に10日。
塗り終わるとアンテナや給気口のフードなどを取り付けます。
上のパロボナアンテナがBSアンテナ、高谷さんが持っているのが
地デジ用の平面アンテナになります。
アンテナが付いたところで、足場を解体していきます。
足場の解体は、建て方をして棟が上がった上棟の時と同様に
とても感動する瞬間でもあります。
色彩豊かな森のなかで白い木箱は、四季を通じてまわりの色を
映しとってくれます。
地場の森から切り出した丸太が、地場の製材所で製材され、
地場の大工の手で森の中に戻ってくる。そんな想いのもと
使った唐松の板は、自然とこの場所に馴染んでくれました。
ひと昔前であれば、地のもので作るのはアタリマエの事だった
のですが、いつの間にか建材ばかりに囲まれた世の中。
もっと地に足をつけ、もの作りが出来ればエコなんて言葉は
いらないと思う今日この頃です。
さて外構は、内部工事が終わってからの2期工事になります。
外壁の塗装をしている間にも、中もだいぶ出来てきました。
つづく。