昨年末から長らく冬眠状態にありました常盤坂の家も、
去る2月21日より、 ヒソヒソと再始動をしておりました。
とは言っても、少しやっては留守にし、また来ては少しやり。
2階の床を張るまでの、1ヶ月と半月の記録を記します。
2ヶ月も留守にしていたのに、いつ来ても良いようにと、ご近所
さんは家の前の雪を毎日掻いていてくれた。本当に感謝です。
そして、常盤坂の家の中には、外壁の塗装やお風呂の防水工事を
やってくれた伊藤防水の社長から廃材のプレゼントが届いていた。
こちらも、材料や薪として大切に使わせて頂きます。
寒い冬に贅沢に薪を焚きながら、2階の床の工事が始まりました。
まずは、トイレの床のタイル貼り。こちらのタイルもお世話に
なっているファイヤピットさんからのプレゼントです。
タイル用の弾性接着剤をコテで床に塗り、タイルに馴染むように
櫛目を立てて敷いていきます。枚数が枚数なのですぐ完成。
つづいて、お風呂の床には自然石を敷いていきます。
手や素足で触れるところにはなるべく自然素材を使いたい。
それと、メンテナンスなども含め身を持って学びたいので。
まずは、防水の上に石の割り付け出していきます。
今回、敷く十和田石は秋田県で産出される石で水に塗れても
滑りづらく、濡れた色合いもまた素敵で、マイナスイオンが
放出されるという独特の良さがあります。
十和田石の裏には、前もってシーラーを塗り敷き終わってから
表には自然石用の吸水防止材を 塗布する。保水性があるので、
それを少し抑える事で、カビ等の発生を抑える。
敷き終わりがこちら。目地にはコーキングを入れて完成になる。
残るは、2階の床。もともと2階の畳の下に敷いていた粗板を、
裏にしてヤスリ掛けしたもので、リバーシブルにして使います。
粗板なので床板としては超が付くB級品ですが、そのラフさが
リノベーションされた常盤坂の家には合うのです。
そして床を留める釘も抜いた釘をまた再利用。釘頭の錆具合が
ちょうど板の風合いに溶け込む。
一本一本叩いて、真っ直ぐに延ばしてから使います。
長い年月で板が痩せたり、曲がってしまったものが多く、幅を
揃えて曲がりを取りながら張らなければならない。幅は大きく
分けると約3種類。ランダムに見えるように、且つ、壁や柱で
切り込みが入らないようにしっかり割り付けながら張っている。
空いた時間での作業。カメさんの様に一歩一歩、着実に張り進め
床板を敷くだけで1ヶ月以上掛かりようやく敷き終わりました。
板をリバーシブルしただけあって、材料は余りもせずピッタリ
というか、ギリギリ間に合いました。
冬至の正午の光りは右角の光り井戸まで届き、一階に光りを落す。
古くて新しい、新しくて古い味わいのある床に仕上がりました。
これで、2階だけは床・壁・天井まで完成。これから手摺や建具
造り付けキッチンや家具、給排水の接続など細々進みます。
再始動とは言っても、週末のみ。完成はいつに?!
つづく。