第49話:再始動!! 床張り

昨年末から長らく冬眠状態にありました常盤坂の家も、
去る2月21日より、 ヒソヒソと再始動をしておりました。
とは言っても、少しやっては留守にし、また来ては少しやり。
2階の床を張るまでの、1ヶ月と半月の記録を記します。

▲再始動した2月21日の常盤坂。今年は大寒波だった。

2ヶ月も留守にしていたのに、いつ来ても良いようにと、ご近所
さんは家の前の雪を毎日掻いていてくれた。本当に感謝です。
そして、常盤坂の家の中には、外壁の塗装やお風呂の防水工事を
やってくれた伊藤防水の社長から廃材のプレゼントが届いていた。
こちらも、材料や薪として大切に使わせて頂きます。

▲一本一本釘を抜いていて持って来てくれた。感謝感謝です。

寒い冬に贅沢に薪を焚きながら、2階の床の工事が始まりました。
まずは、トイレの床のタイル貼り。こちらのタイルもお世話に
なっているファイヤピットさんからのプレゼントです。

▲サンダーでタイルに配管の穴を開けるのは難しかった。

タイル用の弾性接着剤をコテで床に塗り、タイルに馴染むように
櫛目を立てて敷いていきます。枚数が枚数なのですぐ完成。

▲初めてのタイル貼りにしては上出来。縁は木で仕上げます。

つづいて、お風呂の床には自然石を敷いていきます。
手や素足で触れるところにはなるべく自然素材を使いたい。
それと、メンテナンスなども含め身を持って学びたいので。
まずは、防水の上に石の割り付け出していきます。

▲石は安価な規格品だけで割り付け、材料費だけで約2.5万円。

今回、敷く十和田石は秋田県で産出される石で水に塗れても
滑りづらく、濡れた色合いもまた素敵で、マイナスイオンが
放出されるという独特の良さがあります。

▲石畳のようにあえて目地をズラしている。

十和田石の裏には、前もってシーラーを塗り敷き終わってから
表には自然石用の吸水防止材を 塗布する。保水性があるので、
それを少し抑える事で、カビ等の発生を抑える。

▲吸水防止材は乾くと塗ったのか全く分からなくなる。

敷き終わりがこちら。目地にはコーキングを入れて完成になる。

▲この風合いはなんとも癒される。

残るは、2階の床。もともと2階の畳の下に敷いていた粗板を、
裏にしてヤスリ掛けしたもので、リバーシブルにして使います。
粗板なので床板としては超が付くB級品ですが、そのラフさが
リノベーションされた常盤坂の家には合うのです。

▲外のナナカマドに向かって平行に敷いていく。

そして床を留める釘も抜いた釘をまた再利用。釘頭の錆具合が
ちょうど板の風合いに溶け込む。

▲バケツの釘は全て常盤坂の家で使われていたもの。
▲一度抜いたものなので真っ直ぐなものはない。

一本一本叩いて、真っ直ぐに延ばしてから使います。

▲この錆びた釘は効きが良い。
▲板の状態を見ながら、悪い部分が家具等の下になるように敷く。

長い年月で板が痩せたり、曲がってしまったものが多く、幅を
揃えて曲がりを取りながら張らなければならない。幅は大きく
分けると約3種類。ランダムに見えるように、且つ、壁や柱で
切り込みが入らないようにしっかり割り付けながら張っている。

▲敷くのに手間が掛かり、一日に何列も敷けない。

空いた時間での作業。カメさんの様に一歩一歩、着実に張り進め
床板を敷くだけで1ヶ月以上掛かりようやく敷き終わりました。

▲寝室、奥が張り終わりのゴールでした。

板をリバーシブルしただけあって、材料は余りもせずピッタリ
というか、ギリギリ間に合いました。

▲寝室には朝日がサンサンと入り込む。
▲お昼の寝室から居間方向。お風呂の天窓から良い光りが。

冬至の正午の光りは右角の光り井戸まで届き、一階に光りを落す。

▲右の脱衣場にも浴室と同じ十和田石。
LDK。この正面にキッチンを作る。
▲階段吹き抜け方向。右奥は床の間、その左が押入だった。
▲もうすでに年月を経たかのような床の仕上がり。

古くて新しい、新しくて古い味わいのある床に仕上がりました。
これで、2階だけは床・壁・天井まで完成。これから手摺や建具
造り付けキッチンや家具、給排水の接続など細々進みます。

再始動とは言っても、週末のみ。完成はいつに?!

つづく。