第4話:地鎮祭〜サーマスラブ

伐採工事も無事に終わり3月23日、地鎮祭を執り行いました。
青竹を建て、祭壇を用意し神饌物をお供えし、この土地の神様に
祝詞をあげお祓いして清め、土地を使わせて頂く許しを得るのと、
工事の無事と家の繁栄を、参列された業者様と共に祈願しました。

▲鹿部稲荷神社の神主のもと、雪もまだ残る中の地鎮祭。

地鎮祭が終わると早速、繁工務店の西村さんと遣り方を出す。
遣り方では、建物よりもひと回り大きく囲い、位置と高さを
横貫に記していき、これが建物の基準となっていきます。

▲横貫は平行なので高低差があるのが見て取れる。

更に雪解けを待ち3月27日より根伐り工事を始めました。

▲お陰様でいつも天気にも恵まれています。

根堀りをすると、くっきりと地盤状況が現れました。
この地盤は大きく5つの層に分かれています。現在の土壌と
その下に火山噴火により堆積された火山砂利、その下にはそれ
以前の土壌、さらに下に比較的に締まった火山砂利、一番下に
赤茶色の密実な火山灰の層があります。今回はこの赤茶の層が
主な支持地盤になります。

▲下の赤茶色の地盤が支持層になる。

根堀り底も転圧をし、その上に切込砕石を敷き転圧して行きます。
一番奥の低い部分は、支持層に届くように深基礎にする為に、
根堀り底を一段深くしていきます。

▲写真では分かりづらいが手前側が、根堀り底を一段下げている。

なんとか一日目で切込砕石地業まで終了。

▲右奥が深基礎、左奥の島にサーマスラブが。

そしていよいよ、土壌蓄熱暖房のサーマスラブを敷く工事が
始まります。この暖房は基礎や土間の下に暖房パネルを埋込み、
深夜の安価な電気を使って夜間のみ通電し、家の下全体の土壌と、
上に敷く土間に蓄熱させ、その輻射熱が家全体を暖めてくれます。
暖房器具も室内には出て来ないので場所も取らず安全であり、
蓄熱体が大きいので、停電になっても2日位は暖かいのが続き、
また、構造もシンプルなので半永久ノーメンテナンスになります。
まずは根掘り底をしっかり転圧して砂を敷きます。

▲この砂がパネルを保護するクッション替わりに。

砂の上にサーマスラブのパネルを割り付け通りに並べていきます。

▲このパネルの中に電気の線が張り巡らされている。

パネルに張り巡らされた電熱線を回路ごとに結線してゆく。

▲管の中に線を通し、透明のboxの中で結線する仕組み。

しっかり結束されているか確認してから 、ジョイントboxの中に
漏水しないようにコーキングを詰めフタをして完了。

▲隙間無くコーキングが入るようにわざと溢れ出させる。
▲中と小のパネル計10枚の設置が完了。

今回入ったサーマスラブは、主に水回りのピット下に入る部分。
お風呂や脱衣場もムラ無く輻射で暖かくなるのが 最大の特徴。
そして、地鎮祭の際に神主さまより頂いた奉鎮を、一番下で
建物を支えてくれるよう地鎮祭の方角に合わせ埋納する。

▲手を合わせてから埋納。未来永劫この家を見守ってくれます。

サーマスラブの上には、パネルの保護に砂を10㎝載せてから
切込砕石を敷き、転圧を掛けてから防湿フィルムをかけます。

▲パネルの周辺のこうした土壌も蓄熱体になる。

そしてその後の作業精度を上げ、しっかり鉄筋のかぶり厚さを
確保する為に捨てコンクリートを打ちました。

▲間口5間の、奥行き4間。建物の輪郭が少しづつ出てきました。

捨てコンが打ち終わると、本格的に基礎が組上がっていきます。

つづく。