鹿部の敷地には、まだ雪が40㎝ほど積もっていますが、
春の訪れを前にまず伐採工事から着手します。
着工前日、今回の施工をお願いする繁工務店の西村さんと
敷地境界の確認、建物の位置を出し、伐採範囲をテープで
囲い、移植する樹木と枝を剪定する樹木を ラベリングする。
3月12日、現場にユンボが到着し伐採工事が始まりました。
道路脇の雪を掻き、出てきたのは側溝。まずは、敷地に入る為、
ここに取り付け道路を作ります。
U字溝の上に10㎝あるコンクリート製の蓋を被せていきます。
続いて伐採に取りかかる前に、移植して残す樹木を脇に仮植え
していきます。今回は計10本の木を移植します。
この敷地は、近くにある駒ヶ岳が噴火した際に堆積した火山灰
が締め固まり、わずかな表土の上に横に伸びるように根を張る
樹木ばかりで、ユンボで押し付けると倒れてしまう木もある。
また、無造作に密集して植わっているので、葉が付き始めると
足元 まで日光は入らなくなるため、樹木は太陽の光りを求めて
上へ、上へと伸びほとんどの樹高は15mほどある。森としては
本来、もう少し悠々と横に枝葉を付けて成長すべきであるが、
管理されてこなかった森は、とても不健康な状態であった。
そうした不健康に育った樹木の大部分は伐採し、その下で何とか
生き延びていた木をメインに生かして、間伐ではなく皆伐とする。
チェーンソーで切り倒してから、枝払いをし一定の長さで切り
分け、それをユンボで片付けていく。
さらに、残った木の根をユンボで伐根していく。
切ったものは主に3つに仕分けする。
ひとつは枝と根。こちらは潰して処分してもらう。
もうひとつは20㎝以下の幹。こちらは『大屋根の家』で使う
薪ストーブの為に、薪用に保管しておく。
もうひとつ20㎝以上の幹は、隣りの森町にある三上製材さんで
枕木に加工してもらう。捨てればただのゴミだが、こんな身近な
木は立派な資源になる。
そして、2日目。トラフ蓋の上に、隙間から土が流出しないよう
シートを敷き、その上に砕石を流し入れる。
そして道路を均し、ようやくダンプが敷地に入れるようになる。
伐採と同時に枝と根の、排出作業が続く。
合間に小さなダンプを運転し、森町にある三上製材へ2往復。
枕木は1mの長さで太鼓に落して120本作ってもらいます。
敷地奥には薪にする山ができています。この丸太を薪にする
までが 一苦労なのですが、、お施主様の楽しみでもあります。
伐採作業もほとんど終わり、伐採しない残す樹木は伸び過ぎない
ように頭打ちと枝の剪定をする。敷地中央右にある株立ちの良い
山モミジの枝が綺麗に見えるように周辺は低めに抑えたり、
無造作のようで操作するのが難しいところ。
伐採と剪定を終えると、続いて移植作業。主に移植するのは、
ナナカマド1本、ヤマザクラ2本、 タモ3本、カエデが4本。
枝振りや、室内からの目線なども考え、バランスよく配置する。
車路の横にはヤマザクラを。近隣からの目線を遮るのにカエデと
タモを配し、玄関のアプローチ横にナナカマド、ダイニングから
ウッドデッキ、ドックラン越しの正面にはシンボルツリーとして
2股のヤマザクラを移植。 葉っぱがなく分かりづらいですが、
芽がでて息吹いた頃の葉の状態を考えて移植していきます。
今時期はまだ、ギリギリ冬眠している樹木達。この時期は移植
にも適した時期で、切った木にも水分が無く腐りづらかったり、
絶好のタイミングに伐採ができました。
ここから、もう少し雪が解け暖かくなるのを待って地鎮祭。
そして基礎工事へと進みます。
つづく。