第43話:間仕切り

気がつけば、早いもので10月も第1週目が過ぎていました。。。
常盤坂の家、とてもとても難航しております(汗)

家型の壁・天井という外枠が出来たら、次は間柱を建て間仕切り
を組みます。 間仕切りも当然、家型。これが素人には難しい。

▲左の天窓の下が浴室になる部分。

お風呂の間仕切りは特に気密が要求されるので、下地を打つ前に
両面の防水テープを張ってから、壁に下地を打ち付けます。

▲こうした気密テープは、一軒で延べ1000m近く使う。
▲下地を留め、防湿フィルムを張り、更に気密テープを張る。

浴室と寝室の間仕切りは、浴室からの天窓の光りを寝室にも
取り込む為、大きな開口部をつくる。

▲天窓よりも一回り大きな明かり取り。

明かり取りは、光りを切り取るように少しエッジを効かせる。
和室に付いていた本長押を再利用し、開口部の枠下地に使う。

▲常盤坂の家では、こうした古材もしっかり再利用します。
▲下枠は水勾配がついて一石二鳥。
▲右にトイレ、左が脱衣と下地組みが完了。

そして次の日、常盤坂の家には再び助っ人が来てくれました。

▲ATERIER 空間工房の代表 岩本一也 氏がお手伝いに。

内装の得意な岩本先生には、家型と寄せ棟の境野になる間仕切りの
構造用合板を張ってもらいました。

▲『海人』岩本氏、後ろ姿もカッコ良かったです。

家型部分は狭い場所で、勾配や障害物があり一発で形を合わせて
張るのはとても難しい場所だったのですが、さすが岩本先生!
難易度の高い場所を上手く張っていただきました。

▲最後の頂部をピッタリ張り終える『海人』岩本先生!

岩本先生、遅くまでお付き合い頂きありがとうございました!

お陰様で家型と寄せ棟部分が間仕切られ、その屋根の形で2階に
性格の異なる2つの空間が生み出しました。

▲寝室になる家型部分は天井が低く心地いい。

そしていよいよ、浴室の下地組みも終え間仕切っていきます。
構造用合板で壁を固めていき、捨てコーキングを打ちます。

▲床には排水ユニットが埋込まれる。

構造用合板で固めた上に、耐水合板を重ね張りしていきます。
浴室はこの上にウレタン防水を巻きます。

▲洗い場のライニング下地。右が入り口で脱衣場。

反対側の天窓の下が浴槽になります。とても天井が低いので
天窓の真ん中で丁度、頭が窓下にハマるようになっています。

▲星を見るより日光浴する方が気持ち良さそうなお風呂です。

あとは給水管を壁出しすれば、残りを張り防水下地になる。
寝室側の光りを切り取る窓は、エッジを効かせるのに切り口も
少しだけ斜めにして張る。勾配は約3.3分勾配。

▲角度により枠の見込みが見えないので光りが抽象的になる。

そして、岩本先生に張ってもらった手前の壁を張っていく。

▲トイレには窓がないので、頂いたガラスブロックを埋込んでいる。
▲トイレからトンネルを挟んで脱衣、浴室方向を見る。

そして、なんとか家型部分の合板を張り終え間仕切りが完成。

▲まっすぐ正面の窓に、ナナカマドが見える。

天井の高い寄せ棟部分と、天井の低い家型部分の間にトンネル状の
通路を挟む事で、寄せ棟の高い天井は強調され、家型の低い天井は
緩和される。パブリックとプライベートの緩衝空間になる。
茶室で言えば露地のような、こうした気持ちを切り替える為の
緩衝空間は設計する上でとても意識するところ。

▲天井の高い寄せ棟から家型を見る。

さて、ステージはいよいよ大場、寄せ棟へと移ります。

つづく。。。