トンボの姿も何処へやら。記録的な残暑となっている函館。
暑さにも負けず、常盤坂の家で汗を流す日々が続いております。
LDK側の床下張りまで終え、続いて寝室やトイレお風呂となる
切り妻屋根で天井の低い側の床の解体から進めていきます。
この家を買う前に元の持ち主さんから少し話しがあったのですが、
建ててすぐだと思いますが、2階のこちら側はあとから増築した
ものらしいのです。 桁が切られた痕跡などから推測すると、
現在の屋根高よりも4尺ほど下にもとの屋根があったようです。
後からの無理な増築というのは、見えなくなる部分で危険な納め
が多くなる傾向があります。こちらもそうでした。
今回はそうした危険要素をしっかりと改めていきます。
床組みは耐震補強をするうえで、とても重要な要素になるので、
水平剛性の低い転ばし床から、落し込み床へと組み替えます。
ここの屋根はこれまでよく積雪に耐えてきたなぁという程、
とても危険な骨組みでした。
床を組む前に、まずは上の写真の柱や敷居等を一度撤去。
しっかりと屋根の荷重を支えられるように柱を2本建てます。
太鼓梁にしっかりと根太を掛け、水平構面を強化していきます。
床組みと共に梁の補強を入れ、さらに柱を建て込みます。
新たに建てる柱を受ける梁も、更に下に梁を入れ合板でサンドし
合成梁にして しっかり補強します。
柱は、屋根等の上からの荷重をしっかり下の梁や土台に伝える
ように、力の流れを読み取ったうえで適切に入れる必要がある。
床の下地ができたら、1階の天井裏に防湿フィルムを敷き、下の
事務所への防音用にグラスウールを入れ構造用合板を張っていく。
こちらは床下配管はまだこれからなので仮敷きになっています。
構造用合板は敷き出せば1日で終わるのだが、解体から床組み、
梁の補強、柱の建て込みなど、見えない部分に10日を費やした。
まさに常盤坂の家の、縁の下の力持ちになる事でしょう。
つづく。