第38話:小屋組

函館はお盆を過ぎ、トンボの姿を見かけるようになりました。
アッという間に秋はすぐ足元まで来ております。

▲追加の床下地が入った状態。水平筋交いが見える。

1階イナゴ天井の復元を終え、続いて2階の床を張る前に
天井裏に防湿フィルムを敷き断熱材を載せていきます。

▲フィルム端部は風が抜けぬよう気密テープで押さえる。
▲風除室の上は足元が冷えぬよう15センチの断熱材を敷く。
▲他の部分は主に防音目的に5センチの断熱材を敷く。

断熱材を載せ、床に構造用合板を敷いてゆく。こうして水平構面を
固め構造補強する事で、捻れるような横揺れに強くなる。

▲床の構造用合板は目地をズラす事で、より効果的になる。

ようやくLDKになる2階床の半分の下地ができ足元が固まる。

▲足元が良いとやはり安心感が違います。

もう半分の床に取り掛かる前に 、こちらLDKの残った壁・天井を
ほぐしてゆきます。 1階のイナゴ天井は復元し保存しましたが、
2階は既存の天井を綺麗に取り、今度は屋根なりに天井を斜めに
断熱材と共に張り、小屋組を現しにしていきます。

▲秋田杉の板目の天井板。厚みは2分3厘(約7ミリ)

小屋組が見えてきました。瓦屋根ではないので、太鼓梁は少々
細いのですが、渡り腮工法で組んでいる姿はやはり豪快です。

▲天井の猿棒や廻し縁なども綺麗にほぐします。

天井裏と言えば、棟札を期待しましたが、、、

▲束の東向きの位置に何やら、、、もしや???

らしき物が出てきました。表には何も書いていません。

▲降ろしてみると半紙のような物が挟んである。
▲挟んでいた半紙を広げてみたが何も書いていない。

一体何だったんだろうとお向かいさんに聞いてみると、元は
半紙の両脇には紙垂(しで)というヒラヒラしたのが付いていて
地鎮祭や建前の時に、安全祈願して供えていたものではないかと。
こちらは、お炊き上げしてきたほうがいいのでしょうか。。。

こちらは取りあえず元の位置に戻しておき、小壁などもほぐす。

▲斜めは階段室の天井。上が押し入れ、右は床の間だった。

そして、壁・天井のほぐしが完了し、小屋組の全貌があらわに。

▲余計な物が取れすっきりしました。ん〜素敵な小屋組ですね。
▲早くこの小屋組を眺めながら生活がしたい!!!

ほぐした材料は釘を抜き、しっかりまとめていきます。

つづく。